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工 房 日 記

美 濃 手 漉 き 和 紙 の 工 房 か ら お 届 け す る
日 々 の 出 来 事 に つ い て の ダ イ ヤ リ ー で す 。
赤くてきれいな楮の実

 

和紙の原料になる楮(こうぞ)という植物は
この時期になると赤い実をつけます。
工房の近くにある共同作業場に植えてある楮に
今年は例年にないほどのたくさんの実がなっていたので
職人仲間の澤木健司さん、倉田真さんと一緒に採取しました。
この実は食べられるので時々口の中に放りこんだりしながら。

彼らが、この実から種だけを取り出して発芽させてみよう
というおもしろい実験をしていたので
ちょっとだけお手伝いしました。
木いちごのような集合果をていねいに洗って抽出した種は
まるでキャビアのよう!めちゃくちゃキレイです。


発芽実験はどうなるかな。乞うご期待です。


ちなみに、和紙の原料となるのは
木の皮のウラにある「ジンピ繊維」と呼ばれる白皮の部分
なので果実は関係ありません。。
でもこんなかわいい実がなる時期はとっても貴重な瞬間。
うっそうと繁る緑の中に見る、小さくてきれいな赤は
なんだか心が癒される風景でした。

| life | 18:06 | - | - |
ハッピー 7th アニバーサリィ
 

5月25日という日は、私にとって
とーっても大切にしている記念日です。

故郷である東京を離れ、ここ岐阜県美濃市に
移住してきた日、なのです。
そして手漉き和紙のしごとをはじめました。

私の人生の中で大きな転換期でもあったし
独り身で新しい土地に移り住み、新しい仕事を
始めるのは一大決心だったので
そんな勇敢な自分を讃え、移住記念日を
毎年大切にしているのです。
(当時は根拠のない希望に満ちていました。
 初心忘るべからず・・・ですね。)

美濃に移り住み、手漉き和紙の仕事をはじめて
まる7年になりました。

毎年この日は、まるでお正月のように原点に帰ります。
1年を振り返り
昨年のこの日に掲げた目標をどれだけ達成できたか
反省したり、内に秘めている志を確認したりしています。


7周年を迎えた今日、仕事の合間の休憩に
ケーキを用意して一緒に祝ってくれたのは、
工房で一緒に紙づくりをしている後輩、杉本和香奈さん。
こんなお祝いをしてくれる後輩ができたことは
ほんとに奇跡的です。ありがとう。

初心を忘れず、紙漉きのしごとができることに感謝して
また新たな気持ちで8年目をスタートさせたいと思います。

私をいつも支えてくれている家族に、友達に、
工房の主宰・保木成敏氏に、そして
保木工房の紙を買ってくれたすべてのお客様に、
心からのありがとうを贈ります。

| life | 23:59 | - | - |
住まいの中の手すき和紙

紙漉き仲間の家田美奈子さんが結婚されたのは一昨年前
その後美濃市内に新しいお家を建てました。

そして、今年の春に新築が完成したということで
先日「お披露目会」の名目のもと
紙漉き職人のみんなで新築を訪問し、お祝いの食事会をしました。

家田美奈子さんは、伝統工芸士である澤村正さんのもとで
本美濃紙の製法を学んだ後に独立し、伝統的な紙づくりを守りつつ
オリジナルの製法をおりまぜながら
独特の世界観をつくっている紙漉き職人さんです。
穏やかな人柄で、同世代でありながら私もとっても尊敬しています。

そんな彼女の新しい住まいの中に
どのようなかたちで手漉き和紙が使われているのかとても興味深く
私も勉強するつもりでお家を拝見させていただきました。
了承をいただいたのでここで少し紹介したいと思います。


 

一番感激したのがリビングに飾ってあった日本画の作品。
美奈子さん自身が学生時代に描いたという、紙漉き職人のしごと風景です。
150号という大作で、当時「院展」に入選したそう。
美奈子さんは現在も日本画の技術をとりいれた和紙を
追究していますが、そのルーツがここにありました。

自分がやりたい仕事にたどり着くまでに
どれだけ遠回りしてどれだけたくさんの「引き出し」をつくるか、が
豊かな仕事をするための大きなポイントだと私は思っているので
この絵画作品を通して美奈子さんの「引き出し」のひとつを
垣間みることができた気がして感激しました。

学生時代に取り組んでいたことが
今現在のしごとに活かせているということは
すばらしいことですよね。



1:商品にもなっている「Washi犬」
  (紙の毛羽をいかした犬のカタチをした紙)をモビールにしたもの
2:美奈子さんの師匠、澤村正さんの紙をつかったペンダントライト
3:障子(手漉き和紙のよさを一番感じることができます)
4:ふすまのとってのポイントに柿渋紙が使われてました。かわいい♪

その他にも置き型のあかりや壁紙、カレンダーなどなど
いたるところに手漉き和紙が施されており、また、お家も広くて
将来を考えた工夫が随所にありました。案内してもらっていた時は
「お〜!」とか「すご〜い!」とか「さすが〜!」とか
そんな言葉ばかりで、なんだかとっても楽しかったです★

そして何より紙漉きのお嫁さんをもらった旦那さまが
美奈子さんのしごとを尊重しているところが実に男らしく
仲のいい夫婦の姿に私たちもなごませていただきました。

美奈子さんは7月上旬に出産予定です。
元気な赤ちゃんが誕生しますように!!


| life | 06:15 | - | - |
小さなものを小さな箱に

 

今年の春、大学を無事卒業したmさん。
彼女の卒業祝いの贈り物にアクセサリーを購入したのですが・・・
お店の店員さんが施してくれた “ プレゼント用 のラッピング ” が
いまいち気に入らなかったので、自分で箱を作ることにしました。

久しぶりの貼り箱つくり。楽しい作業です。
まずは中に入れるモノに合わせて寸法を決め、次に厚紙を使って
支持体となる箱を作り、最後に手漉き和紙を貼っていきます。

W80D40H30mmという小さなサイズのものなので
植物染色紙を7色使い、面で貼り分けてカラフルに仕上げました。

ロッグウッド染め(紫)、藍染め(青)、蘇芳染め(赤)、
ウコン染め(黄)、くるみ染め(茶)、藍×楊梅染め(緑)、ロッグウッド染め(黒)。
植物のやさしい色合いは、どんな配色でも色がぶつかることなく
なじむ感じがします。

箱の中にはふわふわの真綿を入れ、
その上に主役のアクセサリーを添えて、完成です。


決して高価なものではないけれど・・・
気持ちを込めた贈り物。
手漉き和紙の素材感と色に助けてもらい、
ナットクの仕上がりになりました。

受け取ってくれた彼女も喜んでくれた様子。
そして私は、彼女のそのキュートな笑顔に癒されるのでした。


| life | 19:19 | - | - |
大きな地震


東北地方太平洋沖地震。
今のなお広い範囲で被害をもたらしており、
2晩経過したいまも余震が続いているようです。
被災地の方に心からお見舞い申し上げるとともに
今、この地でできることをしていきたいと思います。

仙台には兄がいて
ガスも電気も水も停止しているようで
ぐちゃぐちゃになった自分の家の整理にも
どこから手をつけていいのやらといった様子だそうです。
幸い連絡がつき、命は無事だったので少しはほっとしましたが。

ニュースでは途切れることなくリアルな情報が流れてきますが
肝心の被災地の方にはこの情報が十分に届いていないという事実があり
テレパシーをつかってこの情報を伝えたいという気持ちで
いっぱいになります。きっと不安な毎日を過ごしていることでしょう。

ここ数日に、2件ほど手漉き和紙の工房見学の予定が入っていましたが
それらも中止になりました。非常に残念なタイミングでした。。

いかなる状況でも刻々と時間は過ぎ
明日はやってきます。
1日も早い復興をお祈りします。


| life | 07:36 | - | - |
チーズと塩と豆と




紙と活字が好きなので、読書は私にとって至福の時間です。
特に、朝はやい時間に、おいしいコーヒーを飲ませてくれる
喫茶店でのそれは本当に最高。

読書で泣いたのは割と久しぶりで
昨年のクリスマス頃にこの本を購入した自分を
誉めてあげたいくらい、すばらしい物語でした。
なのでここで紹介しようと思います。



「チーズと塩と豆と」
(井上荒野、江國香織、角田光代、森絵都 著/ホーム社)

4人作家がそれぞれスペイン(角田光代)、イタリア(井上荒野)、
フランス(森絵都)、ポルトガル(江國香織)、各土地の風土や料理を
題材にして現地の人々を描いた短編集です。
(どうやらテレビ番組ともリンクしているらしい)

江國さん以外の方は、「初めまして」な作家さんでした。
トリである江國さんの物語だけ他の3人と異質な感じが少し笑えましたが
共通する「食と愛」というテーマのもと、舞台は世界ではあるけれど
実に身近で深い、生活と意志と感情の物語でした。

故郷を離れて何かひとつのことに向き合って生きている、
そこに残した家族や故郷の土地そのものをいつも感じながらも
自分がこれだと決めたことを貫いている人にとっては
特にぐっとくる内容なのではないかと思います。

ぜひあなたも読んでみてください。
こんな冬の寒いときには、読書がいちばんあたたまります。


| life | 09:20 | - | - |
新年のはじまり



新年あけましておめでとうございます!
皆様お正月をどのようにお過ごしですか?

美濃は年末から年始にかけて雪が舞い、
寒さの厳しいお正月となりました。
そして今日1月2日は久しぶりの冬晴れ。あたたかい日差しが
気持ち良く、おでかけ日和となりました。

昨年は、保木工房設立10周年記念
つまり工房主宰の保木成敏氏が独立して10年目を
迎えるという節目の年でした。
ということで、記念にパンフレットを作り
年賀状に同封して送らせていただいています。

パンフレットのデザイン制作は私がやらせていただき
写真はフォトグラファーの林裕己さんにお願いし
2010年の12月末に完成、皆様にお届けすることができました。

本年もどうぞよろしくお願い致します。



年明けにテレビ番組に出演するのでお知らせいたします。
2011年1月17日(月)21時54分〜
東海テレビ「イイこと!」という番組に保木成敏氏が
出演します。工房全体のしごとの様子も少し映るかもしれません?
短い番組ですが、伝統工芸を現代につなげる職人として
取り上げていただいたので、東海地方の方はぜひご覧下さい!

→ イイこと!/東海テレビ


| life | 19:22 | - | - |
長良川でのんびりと




今年のお盆休みはあいにくの天気でした。
みなさんはどのような夏を過ごしているのでしょう。

残暑は厳しいものの、もう夏を越した感じがしませんか?
日が暮れるのも早くなったし、
風もにおいも秋に向かっているのを感じます。

ここ数日は、台風の影響で霧と濁流の長良川でしたが
すっかりエメラルドグリーンを取り戻しました。
きらきら輝いていて、とても穏やかです。

夏のあいだはずっと、早朝、
まだ外が暗い時間から仕事をはじめています。
その方が涼しくて紙漉きがしやすく、1日の仕事がスムーズに回るから。
今は私にとって、身も心も紙漉きに捧げる時期のようです。
滞りなくお仕事をいただけることに感謝しています。

そして仕事帰りには、長良川の河原に降りて
のんびり過ごしていくこともあります。
こうして紙漉きができるのも、また、この土地にその歴史が古くからあるのも
この清流のおかげなんだなあとしみじみと感じています。
水の神様に、ありがとう。

| life | 19:34 | - | - |
光の束




昨年の秋ごろだったかな、
当時友人だった人にこんなことを言われたことがありました。



             ●

あなたは、心の色というか魂の色というか・・・それを
透明にしようとしているように見える。
あなたは絵の具の色ではなくて、光なんだと思う。
光は必要な全部の色を手に入れると透明になるはずで。

あなたは、色のついた光で
いつも透明になろうと思って、
自分に新しい色の光を混ぜていっているように見える。
仕事や趣味や、今まで出会った人や恋人。

人のなすがままじゃなくて
取り入れる光の色は必ず自分で選ぶ、感じ。
でも混ぜてみると透明じゃなくて、次の新しい色になってしまうから
またクリアを求めて、次に混ぜる新しい光を探す感じ。

決して、手に入れた光の色を捨てたりはしないし
前の色に戻ろうとうともしない。
必ず新しい光で成長しようとする人。

             ●



私はそんな風に自分自身を分析されたことがなかったので
とても新しい視点だなと思い、
その感性に感心したのを覚えています。

その、「透明」を求める光の話、
それ自体がとても気に入っています。
とてもいい話。そんな女性になりたいです。

| life | 19:27 | - | - |
美濃の花火大会




長良川河畔で行われた美濃の花火大会に行ってきました。

その規模は大きくもなく小さくもなく
いかにも地元の花火大会っぽい庶民的な雰囲気。
歩いて行ける気軽な距離だし
夏を味わうにはとってもいいイベントです。

この花火大会の特色のひとつに
「告白花火」という参加型の企画があります。
ハート型の打ち上げ花火と共に
大事な人へのメッセージをアナウンスしてくれるのです。

そして今年もありました、「結婚しよう!」とか「俺にはお前しかいない!」
といったたぐいの熱いメッセージが・・・
誰から誰へのメッセージなのかもアナウンスされるので
よく恥ずかしくないなあとか思いつつも
そんな演出ができるタイプの人を好もしく思ったりします。

花火大会楽しかったです。
そして、他にも、ささやかに夏を満喫する計画がいくつかあります。
猛暑が一日でも長く続きますように。

| life | 20:18 | - | - |